じゃないほう

顧みれば、君の運命は数奇なものだった。君は多くの猫よりもすこしだけ美しく生まれついた。それに、なにより利口だった。ニンゲンに取り入る手練手管なんて、天才的といってもいい。君にとっては、青天の霹靂だっただろう。まさか、ごはんのお皿と寝床とおべんじょを往復しているだけの、だらしなくて、ぶさいくで、そのうえ太っている、あのお馬鹿ないきもの「じゃないほう」とよばれる日がくるなんて。