あいての影をふめるほど、ちかくにいても気づかれない。しかし、気づかれなさすぎて、よくそのあいてにふまれてしまう。ねこふんじゃった、てなもんである。イソップ物語の鼠たちは、猫のあまりの足音のなさに鈴のついた首輪をつけようと画策したそうだ。もっとも鼠たちは失敗におわったようだが、鈴をぶらさげたくもなる彼らのきもちには、いささか同情を禁じえぬ。