ここちのよいそよ風があった。窓のあいだからすうっとやってきて、庭木のまわりをくるくるしている胡蝶のはばたきを、耳元へ伝えてきたりするようだ。それは、ピレシュの音をおもわせるようにほっそりとしてうつくしく、あるいは嫋やかで、矢庭に五千円もする彼女のそれをバイナウさせちゃってくれちゃうには、じゅうぶんすぎる様子だった。