これをみて、おもしろおかしく言ってみせるのは、かんたんなことさ。しかし、みたまえ。美しいとはおもわないかね。なんて純粋で、儚い光景だとはおもわないかね。

彼のいる世界は、私たちのそれとおなじようにみえて、まったくちがう。時間のながれも、空間のひろがりも、生き物たちのありようも。いっぷうかわったパラレルワールドのようなものだよ。彼の世界では、猫も虫もカゴのなかの小鳥も水槽のなかの金魚も、すべておなじようにあるのさ。めくるめくイノセンス。いまだけのベビーユニバース。

きっとまだ、めのまえのふしぎないきものたちが、じぶんとはちがういきものだなんて考えもしないだろう。なにしろ、ついこないだまで、おなじ四本足をしていたのだから。しかし、そんな世界はまるでうたかたのようだ。彼らのひみつに気づいたその瞬間に、ぱっと消えてしまうのさ。

絵本をとじるように。