ビールは一杯目がいちばんおいしいと言いますでしょう。美人は三日であきるとも。先生はそのうちセンコーとよばれたり、上司はお茶に唾をいれられたり、夫は妻に… いいえ、もうやめておきましょう。はじめはどんなによくおもえるものであっても、その効用には限界があって、時の経つにつれ減っていくのだそうです。要するに、ありがたみがなくなるということです。

けれどもふしぎなことに、この法則のあてはまらぬものが、私のみのまわりにはひとつありますのよ。それは減っていくどころか、どんどん増えていくようです。もしも、彼らにするようにニンゲンにもできたら、私はさぞや聖人のようでしょうけれど、こればかりはしようがない。彼らのよいところのいちばんは、ニンゲンじゃないところなのだから。