海は雲に、雲は雨に、雨はまた海に。太古のむかし地球にそそがれた水は、ふえもせずへりもせず、姿かたちを変えながら、私たちのまわりをぐるぐる循環しているのだそうです。命もまたそのようなものだとしましょう。

ときどきニンゲンでいることに嫌気がさします。もし、生まれ変われるのなら。そんなふうに、お考えになったことのある人もすくなくありませんでしょう。偶に、つぎは猫になってみたいなあなんておもいます。あんなに自由で自堕落な生活をおくってみたいものです。

でもね、まるでクリームパンのような、ふわふわの、綿棒ひとつろくすっぽつかめない、あのまるこい手をみていると不便そうでたまらないし、地球上のいきものは九割以上が細菌や昆虫だそうですから、猫どころか脊椎動物にうまれかわれるかどうかもあやういところです。

そうおもうたびに、ニンゲンのころをもうすこし大事にしようなんておもいますのよ。あいにく私のことですから、猫にうまれかわったとしても、きっといまとおなじように嫌気がさしていることでしょうし、もしもじぶんが猫だったら、彼らのことをこんなに好きになれなかったかもしれませんもの。

それに、かくいう私のいまの生活も、猫たちとたいして変わりゃしませんし。