――― のどが乾いた。ひどい吐き気だ。私のからだは、いったいどうなってしまったんだ。

─── まちがいない。私は感染している。なにかのウィルスのようだ。おもいつくかぎりをつくしたが、症状の進行をとめることはできない。すまない、明日のディナーにはいけそうにない。

─── 宿主は彼だ。ああ、まちがいない、彼だ。この手紙がみつかるころには、私はもう ───

(つづきは、ずるずるの鼻水に溶けて読めなくなっている…)

というわけで、倅があちらこちらでウィルスをもちかえってくる。おかげさまのこんこんちきで、私もこの一年で十年ぶんぐらいの熱をだしたようだ。ついこないだも、家じゅうロタウィルスに感染したばかり。しかも、当の宿主ときたら四十度の熱があってもけろっとしていて、異変に気づくころには、もうておくれ。こどもの運んだウィルスの、あゝおそろしや。大人にはたいへんです。