猫は遠くはいかない」の話のつづきをしょうしょう。それで、妹のやつはというと、好奇心だけは猫なみにもちあわせていて、家の外のことにもそれなりにアンテナがするどい。朝から晩まで窓にはりついているだけのことはある。でかけようとすると、ひとあしさきに玄関のドアのまえにいって「準備おk」といわんばかりの凛々しい顔をのぞかせる。

しかし、いざ外につれだすと、まるで巣穴のプレーリードッグのように、キャリーバッグからあたまをひょこひょこさせるだけで、まったくでようとしない。家のなかでは、兄の寝床をうばいとったり、フードをよこどりしたり、庭をひやかしにきた野良猫に網戸越しになぐりかかったり、もじどおり「心身ともに」幅をきかせているくせに、一歩外へでるとこのありさま。

なんどか、兄の逃亡劇のどさくさにまぎれて外へでられてしまったこともあるが、彼女の帰巣本能については、「猫の巣(一話二話三話)」というおはなしで書いたとおり。外へでてもすみやかに家のなかにもどってくれるから心配ない。安全印の三毛猫だ。JISマークでもつけてやりたい。