彼女がこうするやつをこうしだしたのは、ふたりが出会ってから三年後のことだ。こうするやつにとってそれは、あまりにもながく、たいくつな時間だった。やがて、こうするやつは部屋のかたすみで忘れられた。こうするやつ自身もまた、無限にもつづくかのような時空の海をたゆたいながら、しだいにじぶんのことを忘れていった。かつて、爪とぎだったことも、そして、ニャンてS字な遊び場と呼ばれたことも。