うちゅうとがっき

ある日、楽器を弾きながら息子とした、話のはなし。

「ピアノは楽器っていうんだよ」
『がっき?じゃあ、ぎたーは?』
「ギターも楽器だよ」
『じゃあ、おうたは?』
「それもまあ、いちおう楽器かな」
『じゃあ、うちゅうは?』
「それは、いや、それも楽器かな。とてもちいさくて、とてもおおきな楽器かもしれないね。」

ロマンティックかw

息子にそう聞かれたとき、私はまっさきに南部陽一郎氏の宇宙ひも理論をおもいだしました。宇宙にあるすべてのものは、とてもちいさくてほそい、楽器の「弦」のようなものが振動したり共振したりして、つくられているというおはなしです。素粒子が、まるで楽器のようにふるまって、巨大なオーケストラのように宇宙を奏でているのだとしたら、ほんとうにロマンティックなことかもしれませんね。

息子とは、よくいっしょにアタカマの星空をみあげたり、プラネタリウムにいったり、家や車のなかでもよく宇宙のことを話すから、彼にとって「うちゅう」という言葉は、みじかなものなのでしょう。「うちゅうはがっきなの?」という質問に、ふかい意味なんてないとおもうけれど、もしかしたら彼の澄んだ耳には、宇宙が聴こえているのかもしれませんね。

私にもいつか、聴こえていたのかな。