ねこ #110 春号

ねこでの連載も五年になります。五年というと、彼らの人生の、というか、猫生のちょうど半分ですから、もじどおりその半生を本連載とすごしてきたことになります。そこに書かれているのは、彼らと私たちのくらしに起こった、ふしぎでたあいもない事件の数々です。

電気ポットと猫を一週間、見間違えつづけた話。うんこを手づかみした話。ダーウィンも猫なで声必死の猫進化論。東日本大震災の波打つ家のなかでの猫救出劇。猫とくらすきっかけをくれた野良猫との思い出。グレーと三毛の兄妹猫との出会い。そして、別れ。

なにを書くか、どう書くか、はて書くべきなのか。悩んだ末に、おべんじょの話になりました。生とおなじように死も、彼らの魅力のひとつとして。シンプルに、ちからづよく。いつかこれを読みかえしたとき、また猫とくらしたいとおもえるように。

はなむけの言葉に。